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尊い志に火をともして歩み出そうとした
その先には新たな使命が待つ
あなたは そう信じていた
その一歩は遠く海を越えて呼ばれたはずだった
けれど
門は静かに閉ざされた
言葉はあった
しかし、その理は届かず
理不尽だけが背を向けたまま残された
ただ、風のように扱われた
声を上げることすら許されぬ
狭く、閉じた構造の中で
「正しさ」は
いつの間にか「沈黙」とすり替えられていた
外から見れば光り輝くその場所で
内に棲む影が
あなたの誠実さを凍らせていった
それでもあなたは、
怒りではなく
恨みでもなく
「希望」に歩みを戻す
あなたの心は
奪われてなどいない
誰にも見捨てられてなどいない
立ち上がる
信じた道は、まだ終わっていない
砕けた夢のひとつひとつが
次の礎になると信じている
風に名前はない
それでも
あなたは確かに吹いた
誰かを癒す風になろうとしていた
それだけで、十分だ
忘れられたような正しさの中に
ほんとうの意味で
世界を変える力が宿っていると、
あなたは そして、わたしは、知っているから